みなさん、こんにちは。
『紳士のシャツ』編集部の大山です。
今回は紳士服店で働いていた経験を活かして、皆さんの「カーディガンの疑問や悩み」を解決できればと思います。
カーディガンといえば、オンオフ問わず“さっ”と羽織るだけで、手軽にコーディネートに採り入れられる便利なアイテム。
春や秋はもちろん、着るものに悩む春から夏、夏から秋といった季節の変わり目にもピッタリですよね。
ただ、カーディガンは色や柄、素材など種類が豊富なこともあって
「結局、どんなカーディガンを買えばいいの……?」
「格好良く着こなしたいけど、カーディガンのコーディネートが分からない」
そんな悩みを抱える方も少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は「カーディガンの選び方」や「おすすめコーディネート」を解説・紹介していきます。
ページ後半では「おすすめカーディガン」も紹介しているので、もし新しい1枚を購入しようと思っているときは参考にしてみてくださいね。
1.知っておきたい、カーディガンの種類
カーディガンは、ジャケットやワイシャツのように守るべきマナーが少ないため、選ぶにあたり、非常に多くの種類があります。
「カーディガンの選び方」を解説する前に、まずは、
- 着丈&ボタンの有無
- 襟(えり)のデザイン
- 素材
を軸に、「カーディガンの種類」を整理していきましょう。
1-1.着丈やボタンの有無で変わる、カーディガンの印象
カーディガンは、着丈や装飾の違いで、ざっくり4種類に分類できます。
とにかく使いやすい1枚が欲しいとき。
お洒落な着こなしを楽しみたいとき。
防寒着として便利な1枚が欲しいとき。
それぞれオススメのカーディガンが変わってくるので、しっかりおさえるようにしましょう。
使いやすさNo.1&初心者におすすめな「普通のカーディガン」
カーディガンと聞いて多くの人が思い浮かべるであろう、いわゆる普通のカーディガンです。
腰ぐらいまでの着丈で仕立てられていて、アウターとしても、ジャケットやコートのインナーとしても使いやすいのが特徴です。
初めてカーディガンを購入する場合は、まずこのタイプを選んでカーディガンの着こなしに慣れていきましょう。
“すらり”として見える、お洒落な「ロングカーディガン」
ノーマルカーディガンよりも着丈が長く、すらりとした着こなしを楽しめる「お洒落なカーディガン」です。
上から下へ流れる生地が腰や太ももを隠すので、お洒落な着こなしだけでなく、体型をカバーしてくれる効果も期待できます。
ほどよく暖かい、コーディガン(コートカーディガン)
カーディガンとコートを足して2で割ったようなカーディガンです。
「コートを着るのは大袈裟。でもカーディガンだと肌寒い」という絶妙なシチュエーションに刺さる1着で、ロングカーディガンよりも厚手の生地が採用されるなど、防寒性を高められているものが多いです。
ロングカーディガンとの境界線が曖昧なので、ブランドや店舗によってはロングカーディガンと区別していないこともあるようですね。
ゆったり&リラックス感ある着こなしの、ラップカーディガン
「包む。くるむ。」といった意味がある「ラップ(英語:wrap)」の通り、前ボタンがないカーディガンです。
ボタンがないので当然ボタンホールもなく、見た目は非常にシンプル。
シルエットもゆったりとしていて、カジュアルな着こなしにピッタリです。
着丈が長くても短くても、ボタンが無ければラップカーディガンですが、主に「ボタンが無くて着丈の短いカーディガン」をラップカーディガンと呼ぶ場合が多いようです。
1-2.首回りの印象を左右する、襟(えり)のデザイン
ワイシャツほどではありませんが、カーディガンにも「えり(英語:collar)の種類」があり、それぞれ印象がガラッと変わります。
ここでは主な3種類をご紹介します。
定番のVネックカラー
すっきりした首回りを演出してくれる定番のデザインです。えりがないので「ノーカラー」と呼ばれることも。
構造が非常にシンプルなので、重ね着をしやすく、着脱も楽というのも使いやすいポイント。
羽織ってよし。ジャケットやコートのインナーとして挿し込んでもよし。非常に使いやすいタイプです。
ショールカラー
ショールを巻いたような見た目が特徴で、非常に柔らかく上品な印象になるえりの種類です。
「糸瓜(へちま)カラー」と呼ばれることもあり、主にアウターとして着るカーディガンに採用されています。
スタンドカラー
名前の通り、えりが立っているカーディガンです。顔のそばにえりがあることで、小顔効果が期待できます。
ショールカラーと同様に、アウターとして着るカーディガンに多く採用されています。
1-3.カーディガンは、季節を問わず着られる素材が多い
ファッションアイテムとして小回りが利くカーディガンには、「ウール」や「コットン」「アクリル」など、ほぼオールシーズン着られる素材がよく採用されています。
実はオールシーズン着られる「ウール」
羊から採れる、自然素材です。
秋冬専用素材のイメージが強いかもしれませんが、実は季節を選ばない万能素材で、冬はあたたかく夏は涼しく着用することができます。
伸縮性や吸湿性も高く、カーディガンの素材としては1番オススメ。
……なのですが、この後で紹介する他の素材と比べると、どうしても値段が高くなりがちなのが欠点です。
衣服素材の王道。さらっとした肌ざわりの綿(コットン)
さらっとした肌ざわりが特徴の定番自然素材です。肌寒い春。冷房対策の夏。また肌寒くなった秋……というように多くのシーズンで活躍してくれます。
夏にぴったりの麻(リネン)
他の素材とは対照的に、夏ピンポイントで大活躍する自然素材です。
速乾性の機能に加えて、シャリ感のある風合いは見ているだけでも涼しげ。
汗ばんでもべたつきにくいため、ずっと爽やかな着こなしをキープできるのは、まさにリネンだからこそです。
着られるシーズンが限られているからこそ、ファッションに季節感を採り入れたい人にはピッタリの素材ですね。
すっかりに身近になった、便利な化学繊維たち
「ウールに似た性質を持つアクリル」や「耐シワ性・耐収縮性・速乾性など多彩なポリエステル」、「蜘蛛の糸より細くて鋼鉄より強いと言われたナイロン」、「天然ゴムのような性質をもつポリウレタン」など様々な化学繊維もカーディガンの素材に採用されています。
基本的に、いずれの素材もお手軽価格で熱(アイロンetc.)に弱いという共通の特徴があります。
2.使いやすいカーディガン選びのコツ
カーディガンの選択肢を抑えたあとは、「使いやすいカーディガン」の選び方を解説していきます。
2-1.【色】白黒系 or 彩度の低い色を選ぼう
使いやすいカーディガンが欲しいときは
- 白黒系(モノトーン)
- 彩度の低い色(ボルドー、ネイビー、カーキ、ベージュetc.)
といった落ち着いた色のカーディガンを選ぶようにしましょう。
落ち着いた色のアイテムはシックな印象になるだけでなく、他のファッションアイテムと組み合わせやすくなります。
逆に、彩度の高い(=鮮やかな)色のカーディガンはどうしても子供っぽい印象になりますので、あえて、子供の快活さや明るさを狙うとき以外は選ばないようにしましょう。
ちなみに、スーツに合わせるときは、スーツジャケットやスラックス、ネクタイなどと色味を揃えることで、ウエストコートを着ているかのようなドレス感を演出することが出来るので、オススメです。
2-2.【柄】プレーンな無地を選ぼう
使いやすいカーディガンの柄でオススメなのは、「無地」です。
色を選ぶ基準と同じように、シックな印象になり、コーディネートに加えやすいためです。
もし、柄物カーディガンを選ぶときは、カーディガン以外に柄物をできるだけ避けて、カーディガンをコーディネートの主役にするようにしましょう。
もし柄物カーディガンが欲しいときは・・・
無地以外でカーディガンに採用される柄には、以下のようなものがあります。
味わい深い杢柄(もくがら)
「霜降り柄」とも呼ばれる、味わい深い柄です。
遠目で見ると無地のようにも見えるのですが、近くで見ると2色の糸で独特の模様を描いているのがポイントです。
優しい印象になるボーダー
爽やかで優しい印象になる横向きの縞模様です。カーディガン1枚でも十分、コーディネートの主役を張れるぐらい存在感があります。
他の柄物アイテムと合わせるのは止めておきましょう。
無地とボーダーの中ぐらいの主張になるグラデーション
無地よりも柄物として主張するけど、ボーダーほどでもない。そんな絶妙なグラデーションがらはどんなアイテムとも合わせやすいお洒落な柄です。
3.お洒落にみえるカーディガンの着こなし術
さっと手軽に羽織れるカーディガン。
だからこそ「ただ羽織っただけの人」と「お洒落を意識して羽織った人」とでは、その着こなしに大きな差が生まれてしまうことも……
ここからは、カーディガンをお洒落に着こなすために大切な4つのポイントを紹介します。
ぜひ、お洒落に着こなしてくださいね。
3-1.えり周辺(&全体)が、だぼつかないように
カーディガンは生地が柔らかいため、しっかりと腕を通さないと、Vゾーンや全体が大きくだぼついた着こなしになってしまいます。
特に、カーディガンに腕を通してすぐにボタンを留めてしまうと起こりやすいため、
- 片腕ずつ、袖に腕を通す
- 肩が入っていることを確認する
- ボタンを留める
という基本的な流れを徹底しましょう。
3-2.カーディガンのボタンは、どこまで留める?外す?
カーディガンにはスーツジャケットやウエストコートのような守るべき「ボタンマナー」はなく、自由にボタンを留めて着こなせます。
ここでは定番のボタンスタイルを紹介します。
カジュアルシーンのボタンスタイル
全てのボタンを外す
カジュアルシーンで、カーディガンをアウターとして着るときの定番スタイルです。
「今日はずっとこのスタイルでいる」と決めた場合は、前ボタンが最初から付いていないラップカーディガンを選ぶとシンプルな上品さ&潔さがプラスできます。
一番下のボタンを外す
カーディガンの一番下のボタンだけを外した、きれいめスタイルです。
全てのボタンを留めてもいいのですが、一番下のボタンを外すことで裾のまくり上がりが起こりにくくなるので、オススメです。
ビジネスシーンのボタンスタイル
ビジネスシーンで、カーディガンを着用する場合は、全てのボタンを留めるか、一番下のボタンだけ外した着こなしが主流です。
特に目の細かい生地で仕立てられた「ハイゲージカーディガン」をこのスタイルで着用すると、ウエストコートのようにも見えるドレス感を演出できます。
3-3.全体のシルエットを意識する
カーディガンを着用するときは、他のアイテムと組み合わせて完成する「全体のシルエット」を意識しましょう。
カーディガンのコーディネートでお洒落だと言われているのは以下3つのシルエットです。
- 全身のボリューム感をおさえた、Iシルエット
- 上半身にボリュームを出す、Yシルエット
- 下半身にボリュームを出す、Aシルエット
最も大人っぽいIシルエット
3つの中で、1番初心者にオススメなのが、このIシルエット。
上半身と下半身、両方のボリュームをおさえることで、スマートな大人らしい印象を演出できます。
上から下へ流れるようなYシルエット
ロングカーディガン、もしくはノーマルカーディガンの上にコートを羽織るなどした「ボリュームのある上半身」と、スリムな下半身を合わせたシルエットです。
ガッチリしている上半身やお腹周りを隠したいときにオススメのシルエットです。
男らしい安定感があるAシルエット
「ワイドパンツ」など、ボリュームのあるボトムを合わせて完成する「Aシルエット」。
下半身に安定感とボリューム感が出るため男らしい印象を演出してくれます。
3-4.コーディネートに取り入れる色は、全体で2色(2系統)まで
カーディガンのコーディネートに限らず、コーディネート全体で見たとき「色味が2色以内」で収まるようにするとお洒落に見えます。
好きな色をあれもこれもと、コーディネートに取り入れるのではなく、軸を決めて選ぶようにしましょう。
4.おすすめの人気カーディガン11選
ここからはオススメの人気カーディガンをご紹介します。
※参考価格は2019年10月7日時点の物です。
4-1.オンオフ大活躍のユニセックス・カーディガン
休日のカジュアルからオフィスの冷房対策までこなしてくれる、ベーシックデザインのカーディガンです。
コットン100%で編み上げた、伸縮性に優れるフライス素材を採用。幅広いサイズを展開しています。
4-2.お手軽価格のカシミアタッチカーディガン
楽天のリアルタイムランキングで1位を獲得したVネックカーディガンです。
特殊な縮絨加工(=わざと荒く編んだ生地をキュッと引き締める加工)を施すことで、アクリル生地なのにカシミアのような肌ざわりを再現しています。
洗濯に強いアクリルなので、自宅で選択できるのも嬉しいポイント。
毛玉を防止するピル加工も施されています。
アクリル100% カシミアタッチカーディガン
参考価格2,200円(税込み)
4-4.着流しデザインのラップカーディガン
編み地がしっかりしている「ミラノリブ生地」で仕立てられたラップカーディガンです。
カジュアルな印象を強めるために、着丈は少し長め。ロングカーディガンほどではありません。
コットンをベースにした生地なので、幅広いシーズンで着用できます。
コットン79% ナイロン21% ラップカーディガン
参考価格3,960円(税込み)
4-5.ふんわり暖かい、厚手のスタンドカラーカーディガン
えりと袖、裾のリブ編みがアクセントになっている、厚手のスタンドカーディガンです。
ボタンを留める着こなしではタイト目なシルエットが綺麗に出るため、羽織っただけの着こなしと印象をスイッチできるのが特徴です。
アクリル100% スタンドカラーカーディガン
参考価格1,990円(税込み)
4-6.イギリスの老舗高級ブランドが仕立てた、メリノウールカーディガン
最終工程を手作業で行うなど「こだわる方針」が高く評価されている、イギリスの老舗高級ブランド『John Smedley(ジョン・スメドレー)』のカーディガンです。
着心地のよいメルノウールをふんだんに使って仕立てられています。
メリノウール100% Vネックカーディガン
参考価格22,408円(税込み)
4-7.ケーブルニットのショールカラーカーディガン
立体感のあるケーブルニット生地で仕立てられた、こなれた印象のショールカラーカーディガンです。
こちらの店舗ではショールカラーだけでなく、ドンキーカラー(スタンドカラーの一種)も販売しています。
4-8.ちょっと肌寒い日にはぴったりのロングカーディガン
ざっくり編まれた軽めの生地を採用しており、肌寒い日の羽織りアイテムとしては抜群の使い心地を誇ります。
前ボタンは1つだけ。そのため、ボタンを留めてVゾーンを作りつつも、上から下へ流れるロングカーディガンらしいシルエットはほとんど崩れません。
ポリエステル99% ポリウレタン1% ロングカーディガン
参考価格3,053円(税込み)
4-9.ふわもこ裏起毛のフリース・コーディガン
毛布のように暖かくて、コートより軽い。そんなコーディガンらしい1着です。
ブランド独自に、日本人の体型にフィットするようサイジング設計したシルエットも特徴です。
ポリエステル100% フリースコーディガン
参考価格4,072円(税込み)
4-10.動きやすくて暖かいウール100%動体カーディガン
アテネオリンピックで金メダル獲得をサポートした競技ウェアと同じ「動体裁断」という特殊技術を採用したウール100%カーディガンです。
体の動きにフィットするよう設計されているため、本来なら隠しておかないといけない「遊び」を減らすことができ、動きやすいのにスリムに見えるという不思議な一着です。
4-11.イタリアで紡がれたリネン100%のノッチカーディガン
イタリアの伝統的なリネン紡績メーカー・LINIFICIO社のリネンをふんだんに使って仕立てられたカーディガンです。
ページ前半では紹介しなかった種類のえりで、ジャケットのえりと同じようにデザインされており、薄手のテーラードジャケットのような印象を演出してくれます。
リネン100% ノッチカーディガン
参考価格5,445円(税込み)
あとがき
以上、カーディガンの選び方やオススメコーディネートを紹介しました。
ぜひ、みなさんにピッタリの使いやすいカーディガンを見つけてくださいね。