
こんにちは。
『紳士のシャツ』編集部の大山です。
「足のサイズ」。
それは、紳士が生まれつき背負う″宿命”の一つ。
…といったら大袈裟ですが、実際、足のサイズが原因で靴選びに苦労している人は少なくありません。
中でも足の甲が高い「甲高タイプ」や、足が幅広い「幅広タイプ(俗に言うダンビロ)」、ダブルの「甲高幅広タイプ」の人にとっては大問題。
洒落っ気のあるビジネスシューズを選ぶどころか、普通のビジネスシューズを探すことさえ一苦労なことも…
「丁度いいサイズがなくて、午後になると足がむくんで、足の甲に痛みが……」
今回は、そんなダンビロ紳士の皆さまのお手伝いができればと、ワイド設計(4E)の甲高・幅広向けのビジネスシューズをご紹介していこうと思います。
毎日の仕事でジクジク痛む足を我慢することがないように、ビジネスシューズを選んで頂ければ幸いです。

甲高・幅広ビジネスシューズを探すときの3大ポイント
早速、おすすめシューズ11選を紹介する前に、甲高・幅広向け4Eビジネスシューズを選ぶときに“見落としがちな”3つのポイント
- ジャストサイズを探す
- 外羽根と内羽根の違いを知っておく
- “脱ぎ履きのしやすさを、目安にしない”
を解説していきます。
1.ジャストサイズの靴を探そう

「これまで苦しんできた分、ゆったり余裕のある靴が履きたい…」
そんな風に思われるかもしれません。
でも、あくまでも靴を探すときの理想は、ジャストサイズ。
ゆとり(余裕)があり過ぎる靴は「靴ズレが起きないように」と足が無意識に強張って(緊張して)しまうため、かえって足に毒なのです。
ケガした片足をかばい続けて、もう片方の足を痛めてしまうように、強張った歩行は全身のゆがみを引き起こすことも……
サイズが見つからなくて苦労していたとしても、靴のサイズは、可能な限りジャストサイズを探すようにしましょう。
1-1.足の採寸(靴の試着)は、足がむくむ夕方以降にやろう

ジャストサイズの靴を探すなら、足のサイズは正しく把握しておきたいところです。
ここで忘れていけないのが、人の足は朝から夕方にかけて、むくんで膨張していくということ。
靴を購入するときの採寸・試着は、膨張しているときのサイズを基準にするためにも、17時以降にするのが良いとされています。
ただし、この17時以降というのは一般的な目安。体質や勤務時間によっては個人差が出てきますので、注意してください。
1-2.JIS規格で定められた、計測箇所と足のサイズ一覧
JIS企画で定められた足の計測箇所と、足のサイズは以下の通り。
ちゃんと足のサイズを測ったら「実は4Eじゃなかった…!!」なんてことも割とありがちです。
自分の正しいサイズ感を誤解したまま、4E靴を履いて足を痛めてしまっては目も当てられませんので、計測箇所を含めてしっかりと確認しておいてくださいね。
足幅と足囲の計測箇所

足長と足幅(足囲)表
足長 [cm] |
足囲 ( 足幅 )[cm] | |||||
EE | EEE | EEEE | F | |||
23.5 | 240 ( 98 ) |
246 ( 100 ) |
252 ( 102 ) |
258 ( 104 ) |
||
24 | 243 ( 99 ) |
249 ( 101 ) |
255 ( 103 ) |
261 ( 105 ) |
||
24.5 | 246 ( 100 ) |
252 ( 103 ) |
258 ( 105 ) |
264 ( 107 ) |
||
25 | 249 ( 102 ) |
255 ( 104 ) |
261 ( 106 ) |
267 ( 108 ) |
||
25.5 | 252 ( 103 ) |
258 ( 105 ) |
264 ( 107 ) |
270 ( 109 ) |
||
26 | 255 ( 104 ) |
261 ( 106 ) |
267 ( 108 ) |
273 ( 110 ) |
||
26.5 | 258 ( 105 ) |
264 ( 107 ) |
270 ( 109 ) |
276 ( 111 ) |
||
27 | 261 ( 107 ) |
267 ( 109 ) |
273 ( 111 ) |
279 ( 113 ) |
||
27.5 | 264 ( 108 ) |
270 ( 110 ) |
276 ( 112 ) |
282 ( 114 ) |
||
28 | 267 ( 109 ) |
273 ( 111 ) |
279 ( 113 ) |
285 ( 115 ) |
||
28.5 | 270 ( 110 ) |
276 ( 112 ) |
282 ( 114 ) |
288 ( 116 ) |
||
29 | 273 ( 112 ) |
279 ( 114 ) |
285 ( 116 ) |
291 ( 118 ) |
||
29.5 | 276 ( 113 ) |
282 ( 115 ) |
288 ( 117 ) |
294 ( 119 ) |
||
30 | 279 ( 114 ) |
285 ( 116 ) |
291 ( 118 ) |
297 ( 120 ) |
2.内羽根と外羽根の特徴をおさえておこう
靴ひもを結ぶビジネスシューズは、羽根(靴ひもの穴があるパーツ)の仕様によって、「内羽根タイプ」と「外羽根タイプ」の2種類に分けることができます。

2種類の内、甲高・幅広タイプの人と相性が良いのは「外羽根タイプ」。
↑の画像のとおり、内羽根は羽根のつま先側が靴本体と一体化しているため、靴ひもを緩めたとしても、甲の高さに対応できません。
一方、外羽根タイプは、羽根と靴本体が別々なため、たとえ足の甲が高くても、靴ひもの締まり具合で柔軟に対応できるのです。
3.脱ぎ履きのしやすさを、目安にしない

靴ひもを締めたり緩めたりするのが面倒くさいばっかりに、靴ひもを締めたまま脱ぎ履きできるような靴を探してはいませんか?
靴を探すときに「履きやすさ」と「脱ぎやすさ」を目安にしてはいけません。
靴は、靴ひもを締めて、しっかり足に固定して、それで“完成”。
正しく靴を履かないばかりに、自分と相性がいいサイズの靴を誤解し、結果的に“自分は甲高or幅広だと勘違いしている人”も、少なくないと言われています。
特に実店舗で試着をする際、靴ひもをしっかり締めずに試着を終えてしまいがちな人は、特に注意してくださいね。
甲高・幅広向け、おすすめビジネスシューズ11選
さて、ここからはオススメの甲高・幅広向け4Eビジネスシューズを「11モデル」紹介していきます。
価格や各モデルの特徴が簡単にですが、一覧表にまとめましたので参考にしてみてくださいね。はみ出ている分は左右スクロールできます。

ここからは、オススメ甲高・幅広向け4Eビジネスシューズ11選の特徴を詳しくご紹介します。
実際に商品を探すときの参考になれば幸いです。
1.価格×履き心地×ドレス感のバランス◎

見た目は革靴ですが、インソールやアウトソールにスニーカーの技術が採用されているため、非常に履き心地がよいのが特徴です。
革靴の中でもフォーマル度の高いストレートチップモデルです。
サイドゴア仕様なので、着脱をサポートしてくれるだけでなく、午後になって“足がむくんで”きてもある程度まではサイドゴアの伸縮によって、ある程度は対応してくれるオススメモデルです。
アッパー(足の甲を包む部分) | アンティーク加工を施した天然皮革(スムースレザー) |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底(スポンジ+ラバー) |
対応している足のサイズ(足長) | 24.5~28.0cm |
このシューズのポイント |
・消臭機能
・抗菌機能
・履き口クッション
・サイドゴアで脱ぎ履きサポート
・立体インソール
・クッション性
・屈曲性
・軽量感
・EVA採用
・フィット感◎な外羽根
|
ブランド | テクシーリュクス(texcy luxe) |
原産国 | カンボジア |
2.プレーントゥデザインを、スニーカーの履き心地で

見た目は革靴ですが、インソールやアウトソールにスニーカーの技術が採用されているため、非常に履き心地がよいのが特徴です。
革靴の中でもフォーマル度の高いプレーントゥモデルです。あくまで革靴の皮をかぶったスニーカーですので、結婚式や葬祭などの席は不向き。
ビジネスシーンでの着用に留めておきましょう。
アッパー(足の甲を包む部分) | 天然皮革(牛革スムース) |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底(スポンジ+ラバー) |
対応している足のサイズ(足長) | 24.5~28.0cm |
このシューズのポイント |
・消臭機能
・抗菌機能
・履き口クッション
・サイドゴアで脱ぎ履きサポート
・立体インソール
・クッション性
・屈曲性
・軽量感
・EVA採用
・フィット感◎な外羽根
|
ブランド | テクシーリュクス(texcy luxe) |
原産国 | カンボジア |
3.それでもやはり、着脱が楽な一足が欲しい人へ

見た目は革靴ですが、インソールやアウトソールにスニーカーの技術が採用されているため、非常に履き心地がよいのが特徴です。
脱ぎ履きしやすい靴を目安にしてはいけない…とはいえ、やっぱり脱ぎ履きしやすい時短靴は魅力的なのも事実。そんな方はスリッポンタイプで如何でしょうか。試着の際はちゃんと“履き心地”も確かめてくださいね。
アッパー(足の甲を包む部分) | 天然皮革(牛革スムース) |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底(スポンジ+ラバー) |
対応している足のサイズ(足長) | 24.5~28.0cm |
このシューズのポイント |
・消臭機能
・抗菌機能
・履き口クッション
・立体インソール
・クッション性
・屈曲性
・軽量感
・EVA採用
・着脱が楽がスリッポン
|
ブランド | テクシーリュクス(texcy luxe) |
原産国 | カンボジア |
4.カジュアルテイストなUチップデザイン

日本のサラリーマンの足を真剣に考えて開発されたシリーズの一足。
ジャケパンスタイルとの相性がよいUチップデザインです。
アッパー(足の甲を包む部分) | 天然皮革(牛) |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底 |
対応している足のサイズ(足長) | 24.5~27.0cm |
このシューズのポイント |
・防臭抗菌加工
・撥水加工
・足ムレ軽減機能
・足裏を3Dに支えるインソール
・履き口クッション
・フィット感◎な外羽根
|
ブランド | ドクター・アッシー(Dr.ASSY) |
原産国 | ── |
5.靴ひもタイプとは一味違うエレガントさ演出してくれる一足

金属バックルとベルトで締まりを調節するタイプなので、靴ひもタイプのビジネスシューズよりもエレガントな印象を演出してくれます。
水滴を弾いて水蒸気を逃がすGORE-TEXを採用しているため、たとえ雨の日でも足ムレしにくいのが特徴。独自開発のインソール(中敷き)は様々な方向からの衝撃を吸収してくれるため、履き心地も抜群です。
4E設計となると、「サイズを探すのが手一杯で、好きなデザインの選択肢が…」ということも少なくないかと思います。普段の足元とは違う雰囲気が欲しいときの選択肢として、ぜひ。
アッパー(足の甲を包む部分) | 本革 |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底 |
対応している足のサイズ(足長) | 24.0~27.5cm |
このシューズのポイント |
・雨を弾いて汗を逃がすGORE-TEX
・足裏を3Dに支えるインソール
・360°衝撃吸収インソール
・ビジネス
・結婚式も○なモンクストラップ
|
ブランド | マドラス(madras) |
原産国 | 日本 |
6.スニーカーだけど、スーツとの相性◎なモデル

いわゆるスニーカーですが、内羽根や長いバンプ(つま先から靴も穴の先頭までの長さ)デザインを採用することで、スーツにも合わせやすいドレッシーな一足に仕上がっています。
本格的に履き心地を追求したい人向けな一足。外部の人と同席するような会議にはカジュアルすぎと判断されると思いますので、上手く履き分けていきましょう。
アッパー(足の甲を包む部分) | 人工皮革 |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底 |
対応している足のサイズ(足長) | 24.5~28.0cm |
このシューズのポイント |
・ソフトな履き心地
・抗菌防臭メッシュ採用
・ユニセックス
・履き口クッション
・スーツと相性◎なスニーカー
|
ブランド | ミズノ(MIZUNO) |
原産国 | ベトナム製 |
7.スニーカー以上の快適さを目指すシリーズ

インソールや履き口周辺にクッション材を採用するなど「見た目は革靴、中身はスニーカー」な一足。商品画像では、足をスリムに見せてくれる「外羽根スワールトゥ」デザインを紹介していますが、リンク先の商品ページでは全8種類のモデルを紹介しています。
アッパー(靴底以外の足を包む部分)にはフェイクレザーを採用しているため、高級感という点では少々残念な部分もありますが、手間暇がかかるメンテナンスが不要なのは大きな魅力。ビジネスにも問題なく着用できます。
アッパー(足の甲を包む部分) | 合成皮革 |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底 |
対応している足のサイズ(足長) | 24.5~28.0cm |
このシューズのポイント |
・抗菌機能
・防臭機能
・足ムレ防止機能
・クッション性
・滑りにくい靴底
・履き口クッション
・靴ズレ防止
・デザイン色々
|
ブランド | ボンペール(BONPERE) |
原・生産国 | ── |
8.雪にも負けない滑りにくい4Eシューズ

デザインの分類としてはドレッシーなプレーントゥですが、雪道でも踏破可能なオフロード仕様なこともあって、全体的にカジュアルな外見に仕上がっています。
アッパー(足の甲を包む部分) | 牛革 |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底(ゴム/雪道対応) |
対応している足のサイズ(足長) | 23.5~27.0cm |
このシューズのポイント |
・雪道も踏破可能
・滑りにくい靴底
・靴底取り換え修理可能
・本格革靴
・国産革靴の定番ブランド
|
ブランド | リーガル(REGAL) |
原産国 | 日本製 |
9.お手軽価格の4Eフォーマルシューズ

接着剤でアッパーとソールを接合するセメンテッド製法を採用しているため、比較的靴が軽く、そして浸水しにくい仕上がりになっているのが特徴。デザインも内羽根ストレートチップを採用しているので、ビジネスでは勿論、結婚式や葬祭などでも着用できます。
お手軽価格の本格4E革靴を探している方にオススメのモデルです。
アッパー(足の甲を包む部分) | 牛革 |
アウトソール(地面にふれる靴底) | 合成底 |
対応している足のサイズ(足長) | 27.5~30.0cm |
このシューズのポイント |
・水滴をはじく
・修理はできない
・本格革靴
・結婚式
・葬祭
・ビジネス
・面接
・フォーマルな内羽根
|
ブランド | ケンフォード |
原産国 | 日本製 |
10.フィット感◎な、本格4E革靴が欲しい人へ

海外の革靴ブランドなら“10万円超えで紹介されているモデル”と同レベルの素材を採り入れつつ、このお値段。「初めての本格革靴ならスコッチグレインで買っとけ!」と言われるのも納得な、クオリティと価格のバランスが魅力です。
「足に合ったフィット感も欲しいけれど、本格革靴としてのクオリティも妥協したくない」そんな方にオススメの外羽根プレーントゥモデルです。
外羽根のフィット感はなくてもいいから、もっとフォーマルな4Eシューズが欲しい場合は、この次に紹介するモデルがおすすめですよ。
アッパー(足の甲を包む部分) | 国産高級カーフ |
アウトソール(地面にふれる靴底) | レザーソール |
対応している足のサイズ(足長) | 23.5~27.0cm |
このシューズのポイント |
・本格革靴
・結婚式
・葬祭
・ビジネス
・面接
・フィット感が高い外羽根
|
ブランド | スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN) |
生産国 | 日本(東京墨田区) |
11.あらゆるシーンで着用できる、万能4Eフォーマルシューズ

海外の革靴ブランドなら“10万円超えで紹介されているモデル”と同レベルの素材を採り入れつつ、このお値段。「初めての本格革靴ならスコッチグレインで買っとけ!」と言われるのも納得な、クオリティと価格のバランスが魅力です。
4E設計の、本格的なフォーマルシューズが欲しい方におすすめしたいのがこのモデル。
内羽根ストレートチップデザインなので、ビジネスは勿論、結婚式から葬祭などあらゆるシーンで履くことができます。
靴ひもを締めたときのフィット感は外羽根に劣りますが、「フォーマルな一足が欲しい」ときの選択肢としていかがでしょうか。フォーマル感は少し落としてもフィット感が欲しい場合は、一つ前で紹介している外羽根の一足がおすすめです。
アッパー(足の甲を包む部分) | 国産カーフ |
アウトソール(地面にふれる靴底) | レザーソール |
対応している足のサイズ(足長) | 23.5~27.0cm |
このシューズのポイント |
・本格革靴
・結婚式
・葬祭
・ビジネス
・面接
・フォーマルな内羽根
|
ブランド | スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN) |
生産国 | 日本(東京墨田区) |
あとがき
以上、「甲高・幅広向けビジネスシューズを探すときのポイント」と「おすすめ11選」をご紹介しました。
いかがでしたか?
私大山は、若干甲高レベルなので、そこまで靴選びで大変な思いはしておりません。
それでも、靴の種類によっては(特に内羽根の靴!)、足がむくむ時間帯になると「痛たたたたた!」と言いたくなるほど、クることがあります。
なので、より甲高のことを想うと何とも、切ないものがあります。
疲れが出る午後に、足も痛み始めるとなっては泣きっ面に蜂。
ぜひ、辛くないビジネスシューズが見つかれば幸いです。
『紳士のシャツ』編集部の大山でした。
ではでは。