こんにちは。
ITOHARIシャツ歴2年目の大山です。
ITOHARIは、国産のシャツブランドを販売しているニットシャツ専門店です。
テレビ番組『アド街ック天国』や雑誌『Discver Japan』などで話題になっているように、ITOHARIのシャツは「着心地よくて、着崩れない」という不思議な1枚。
「肩回りが凄い軽くてビックリする」
「裾を入れ直す回数が減って、快適」
そんな話を耳にして、試しに手に取ってみる方も多いそうですが、それが、抜け出せないITOHARIループの始まり。
私もそうでした。
当初、ITOHARIシャツを購入したときは、こんな着回しのローテーションを組んでいたのですが・・・
気付くと1日置きに着るようになっていて・・・
もう少し余裕があるローテを組むためにと理由をつけて、もう1枚購入するのですが・・・
気付いた時には、出口のないITOHARIループの中。
初めて購入した2枚で必死にローテさせていたのも遠い昔。今は5枚のシャツで、余裕のあるITOHARI漬けの日々を送っています。
さて、今日はITOHARIシャツ2年目として、ITOHARIのこと、INDUSTYLE TOKYOのことをご紹介します。
ITOHARIの特徴や、他ブランドとの違い。あらかじめ知っておくと購入の際にスムーズなことなど、ITOHARIシャツに興味がある方の力になることが出来れば幸いです。
CONTENTS
ITOHARIとは? INDUSTYLE TOKYOとは?
まず初めに、
「ITOHARIってブランド名じゃないんだ?」
「『アド街』でインダスタイル・トウキョウって言ってたけど・・・これは?」
と混乱される方が多いので、そこの整理から始めましょう。
ITOHARIはショップ名。INDUSTYLE TOKYOはブランド名
冒頭で述べたように、「ITOHARI(いとはり)」はショップ名です。
そして、ITOHARIが販売している国産シャツブランドの名前が「INDUSTYLE TOKYO(インダスタイル・トウキョウ)」です。
このページの中では、シャツを「ITOHARIシャツ(ITOHARIのシャツ)」と呼び、ブランド自体は「インダスタイル」という呼び分けをしていきます。
また、ここで一緒に覚えておいてほしい名前が、もう1つ。
それが「丸和繊維工業」です。
ITOHARIが扱うインダスタイルシャツを縫い上げている、ニット専業の老舗メーカーの名前です。
着心地ひと筋60年。墨田区の老舗町工場・丸和繊維工業
丸和繊維工業は、東京・墨田区両国に本社ビルを置く、1956年創業の老舗ニット専業メーカーです。
ニット生地は柔らかく伸縮性があるため、思い通りに縫うこと自体が簡単ではない代物。
そんなニット生地と60年以上も真摯に向き合い続け、コツコツと技術を磨いてきた丸和繊維工業は、非常に高い「縫う」技術を持っています。
実は、もう1つ「動体裁断®(どうたいさいだん)」という名前もご紹介したいのですが、これは後ほど・・・
では、ITOHARIシャツについて、お話していきたいと思います。
着ていない日にこそ、一層恋しくなるITOHARIシャツ
ITOHARIシャツと言えば、やはり着心地。
何も着ていないように感じるぐらい肩回りが解放される、この「楽さ」は本当にすごいです。
ただ、この「楽さ」で困ったことが1つ。
ITOHARIシャツの楽さを知ってしまうと、元の着心地では満足できなくなってしまうことです。
人間、一度贅沢を覚えると、何とやら。
ITOHARIシャツの着心地も、まさにそれです。
電車のつり革に手をかけるとき。
コピー機の蓋を開けるとき。
棚上の資料に手を伸ばすとき。
夏場ならジャケットを、冬場ならコートを、ハンガーにかけるとき。
腕を上げるシチュエーションって、意識していないだけで意外と多いですよね。
そして、シャツを着た状態と、腕を上げると・・・
当たり前ですが、二の腕や背中で生地が「ピン!」と突っ張って窮屈さを感じてしまいます。
ITOHARIシャツを知らない時なら、その窮屈さも当たり前すぎて、もはや窮屈だと思わないぐらいだったのですが、
一度ITOHARIシャツの楽さを知ると、この当たり前が気になって気になって、仕方なくなってしまいます。
着ている時に「いい買い物したな」と嬉しくなるのは、よくあるのですが、着ていない時にここまで恋しくなるのは、ITOHARIシャツが初めての経験でした。
究極の着心地に、ヨウジヤマモト氏や干場義雅氏などプロの方々も注目
着ている時よりも、着ていない時の方が「シャツの存在感」を実感するのも、何だか変な話。
こんな思いをするのは私だけかと思いきや、
『試しに1枚だけ買ってみたら、もう他のシャツが着られなくなりました』というレビューが寄せられるあたり、ノンストレスな着心地に魅入られた人は少なくないようです。
ちょっと安心します
着心地に魅了されたファンの中には、世界的デザイナー・山本耀司氏やファッションディレクター・干場義雅氏といった方も含まれており、このお二人に関しては共にブランド「インダスタイル・トウキョウ」とのコラボアイテムを発表したこともあるほどです。
また、きちっと見えて「からだの動きを邪魔しない」というポイントは、高いパフォーマンスを発揮するために心を砕くプロの方々に高く評価され、ハイヤー運転手やバーテンダー世界チャンピオンなどの方々も、ITOHARIのシャツを愛用しているそうですよ。
本当に裾が飛び出さないか、試してみました
金メダル獲得を支えた、動体裁断®の動きやすさ
動体裁断を採り入れたシャツの凄さが分かったところで、改めて動体裁断について説明します。
動体裁断(どうたいさいだん)とは、形態学や解剖学の研究を基に開発された「動きやすくて、疲れない衣服」のための技術。
機能系被服デザイナーである中澤愈(ナカザワ・ススム)氏によって開発されました。
聞くところによると、中澤氏自身がシャツ職人として仕立てた服に「あなたの服は、袖がつっぱってとても疲れる」というクレームをつけられたことが原点なのだそうです。
半世紀以上もの時を超えて、今日の動体裁断シャツが、かつてのクレームを見事クリアしていることを考えると、何だか胸が熱くなります。
この動体裁断は、実は、ドレスシャツよりも先に、アスリート選手のユニフォームに導入されるようになりました。
金メダルを獲得したスピートスケート選手・清水博康選手のユニフォームがまさにコレで、いわゆる動体裁断ユニフォームを着た日本人選手が獲得した金メダルは100個を超えたそうです。
ちなみに、世界で初めてドレスシャツに動体裁断を採り入れたブランドが他でもない「インダスタイル・トウキョウ」。なのです。
着心地を全力で追及する丸和繊維工業
ここまでの話で「ITOHARIのシャツは、動体裁断®が凄いんですね」と思われるかもしれません。
確かに、動体裁断抜きでITOHARIのシャツを語ることはできないでしょう。
だからといって、動体裁断さえあれば、どこのメーカーが仕立てても同じなのかといえば、「いや、そんなことはないだろう」というのが、ITOHARIファン歴2年目の意見です。
動体裁断を採り入れさえすれば、着心地いいシャツができあがるのかもしれません。
でもそれは、ちゃんと縫い上げられたらの話。
なんでも、動体裁断シャツは、構成する布パーツの数や曲線部分の数が増え、縫製が難しくなってしまうのだとか。
一部例をあげると、一般的なシャツは1枚の布で腕を包んでいるのに対して、動体裁断シャツは3枚の布で腕を包んでいます。
柔らかさと伸縮性があるために、そもそも縫い上げることが難しいニット生地。
そんなニット生地に、縫製の難易度を上げる要素が積みあがっても尚、数ミリ単位で縫製をコントロールしてしまうのは、丸和繊維工業だからこそ。
今日、丸和繊維工業ではクオリティの維持・向上のため、町工場の職人が1枚1枚ミシンにかけて縫い上げる方法をとっているそうです。
フルオートメーションに頼れば生産性は向上するかもしれないけれど、それでも「職人が縫う感覚」と「着心地の良さ」を優先したいと、今の手法でシャツを仕立てているそうです。
今回は、丸和繊維工業のことを改めて調べる中で見つけた、着心地への想い・姿勢が分かるエピソードを3つを紹介したいと思います。
創業当時に、編み機を探してスイスまで旅した。
昭和31年に肌着メーカーとして始まった丸和繊維工業。
ひたすらに着心地にこだわるのは、直接肌にふれるアイテムを仕立てていた歴史があったことも影響しているのかもしれません。
( 引用元:ニットシャツ専門店ITOHARI )
創業当時は、国内に満足できる編み機がなかったため、海を越え国境を越え、遠いスイスまで探しに行ったという逸話があります。
昨今のグローバル化が進んだ今ならともかく、渡航もままならなかった筈の時代にこれは驚きです。
着心地を求めて日進月歩
仕立てるものが肌着からシャツに代わり、動体裁断シャツに辿り着いた今も、着心地を追及する姿勢・情熱に変わりはありません。
更なる着心地を求めて、動体裁断をより活かすための独自技術、「動体縫製®」を開発したそうです。
縫製部分を柔らかく仕上げ、肌へのあたりを優しくすすための動体縫製。
詳細は不明ですが、縫い合わせた部分を、包み込むようにもう一度縫う・・・らしいです。
もう一度縫うということは、それだけでも手間が大きく増えるはず。
町工場で1枚1枚ミシンにかけている背景を考えると、本当に着心地最優先で、ものづくりに取り組んでいる情熱を感じ取ることができます。
たとえTシャツでも全力投球
( 引用元:ニットシャツ専門店ITOHARI )
ITOHARIでは、夏シーズンに枚数限定でTシャツを販売することがあります。
価格は9,000円前後。
もちろん動体裁断&動体縫製を突っ込んだ全力投球仕様です。
いいですかポロシャツや半袖シャツではなく、Tシャツの話です。
初めてラインナップに並んだときは「え? Tシャツに・・・そこまで・・・?」と一瞬、よくわからなくなった記憶があります。
このTシャツシリーズは、「少しでも着心地がよくなる可能性があるなら、絶対に妥協はしない」という、丸和繊維工業の情熱を象徴するアイテムの1つだと私は感じています。
ITOHARIシャツを買う前に・・・
そろそろITOHARIで販売されている定番シャツを紹介していきたいのですが・・・その前に、購入がスムーズになるよう、組成やサイズ選びなどITOHARIシャツ全般にいえる細かい部分を押さえていきましょう。
ビジネスシーンで活躍できるぐらい、ツヤハリのあるニットシャツ
ITOHARIで扱っているシャツは、編み生地から仕立てたニットシャツです。
ニットシャツと聞くと「それ仕事で着られるの?」と心配される方もいるかもしれません。
大丈夫です。着られます。
ITOHARIのニットシャツは、編み目が非常に緻密なので一般的な布帛シャツと同じように、ビジネスシーンにも着ることが出来ます。
通年シャツは、イージーケアな綿ポリシャツが多い
ITOHARIで紹介されている通年シャツは、その多くが綿とポリエステルの混紡生地で仕立てられています。
私は「渇くスピード」や「シワ対策」で面倒くささを感じてしまうタイプなので、吸水速乾性があって、ノーアイロンでも着られるITOHARIの綿ポリシャツは非常に重宝しています。
「シャツは綿100と決めているので」という方も、ちょっと試してみてはいかがでしょうか?
着ているときも楽。脱いだ後も楽。快適ですよ。
ドレスシャツとしては珍しい、スプリット・ラグラン
( 引用元:ニットシャツ専門店ITOHARI )
ITOHARIのシャツは、ドレスシャツとしては珍しいスプリット・ラグランで仕立てられています。
肩の前側は一般的なシャツと同じセットインスリーブ。そして、肩の後ろ側はスポーツウェアなどに多い、ラグランスリーブ。
シャツのデザインを見ただけでも「肩をぐるりと回してみたくなる」のは、動体裁断シャツらしいですよね。
サイズ選びは、胸囲に気を付けたい
ITOHARIシャツは、普通のシャツよりもタイト目なシルエットに仕上がっています。
そのため、サイズ選びではちょっと気を付けた方がいいかもしれませんね。
私は普段のように、首と裄丈だけ確認して試着したところ、「あれ? 胸周りが・・・」という経験がありました。
ただ、サイズを間違えても、交換対応してくれる(送料は自己負担)ので、とりあえず購入してしまうのも手だと思います。
ITOHARIシャツを試着・購入できる場所は、ここ!
とはいえ
「やっぱり実物で試着したい」
「スタッフの話を直接聞いてみたい」
という方は少なくないと思うので、試着・購入が可能な直営店と百貨店をご案内します。
本社ビル1階の直営店
〒130-0014 東京都墨田区亀沢1丁目8番6号
営業時間:12:00~17:30
定休日:土日祝日
直営店は通常の営業時間外にも、事前予約を受け付けています。
予約や事前予約に関する注意点はこちらからご確認ください>>本社1階直営店紹介ページ(ニットシャツ専門店ITOHARI内)
百貨店
2019年1月の時点で、東京では「大丸 東京店」と「東急百貨店 渋谷店」にて取り扱いがあるようです。
その他の百貨店での取り扱い情報につきましては、こちらのページからご確認ください。
動体裁断シャツ歴2年の大山がオススメする、ITOHARIのニットシャツ
では、ITOHARIで販売されている定番シャツを紹介していきます! 価格は2019年2月時点のものとなっています。
ヘリンボーン ワイドカラー 長袖
( 引用元:ニットシャツ専門店ITOHARI )
ビジネスシャツとしても定番のヘリンボーン柄のシャツです。
「最初の動体裁断シャツ」として選ばれることが多いらしく、定番ロングセラーとして紹介されています。
私が最初に購入したのも、このヘリンボーンでした。
襟型 | ワイドカラー |
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素材 | 綿59%、ポリエステル41% |
価格 | 15,000円(税抜) |
ロンドンストライプ ボタンダウン 長袖
( 引用元:ニットシャツ専門店ITOHARI )
かっちり見えるストライプ柄のドレス感と、実際にふれたときに感じる ふわっ っと柔らかい感じのギャップに、ビックリする1枚です。
「もう1枚欲しくなったときに選ばれる」ことが多いそうで、リピーター人気No.1なのだとか。色のバリエーションもシャツの中で一番多い(全10色)ため、選ぶだけでも楽しい気分になれますよ。
襟型 | ボタンダウン |
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素材 | 綿55%、ポリエステル45% |
価格 | 15,000円(税抜) |
ロイヤルピケ ワイドカラー 長袖
( 引用元:ニットシャツ専門店ITOHARI )
ITOHARIシャツの中で最もプレーンな表情のニットシャツです。なんでも、このシャツは「究極のドレスシャツを目指して」生地メーカーさんと一緒に生地開発から手掛けたシャツなのだとか。「編み機のためにスイスまで旅した」熱量は今も健在のようですね!
ちなみに、ファッションディレクター・干場義雅氏が愛用しているのは、このロイヤルピケなのだそうですよ。
襟型 | ワイドカラー |
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素材 | 綿59%、ポリエステル41% |
価格 | 15,000円(税抜) |
細番手鹿の子シャツ ボタンダウン 長袖
( 引用元:ニットシャツ専門店ITOHARI )
汗ばんだときでも、さらっとした肌ざわりで過ごせるのので、夏の仕事で特に活躍してくれる鹿の子のシャツです。ポロシャツのイメージが強いですが、一般的な鹿の子より緻密な「細番手鹿の子」なので、ビジネスシーンにも着ていきやすい表情に仕上がっています。
襟型 | ワイドカラー |
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素材 | 綿65%、ポリエステル35% |
価格 | 15,000円(税抜) |
あとがき
動画とテキストを交えて長々と語ってしまいましたが、ITOHARIシャツのこと、伝わりましたでしょうか?
一度、袖を通せばもう以前の着心地には戻れない。
そんな贅沢な着心地を体感できるITOHARIシャツ。
もし迷われているなら、試しに1枚だけでも購入することをオススメしますよ。
ただし! その1枚がきっかけで2枚3枚と指が止まらなくなっても、責任は負いませんので、悪しからず!