革靴らしいドレス感があるけど、堅苦し過ぎることもない。
そんな特徴があることから、幅広いシーンで着用できる「ローファー」。
脱ぎ履きが非常に楽チンなことも相まって、多くの紳士に愛用されている定番の革靴です。


おそらく「ローファーって……何?」という方はほとんど居ないでしょう。
それぐらい知名度があり、広く浸透している革靴です。
でも、改めて由来や種類に応じた使い分けの話をすると、
「へぇ~、そんな由来があったの?」
「え?! 一番仕事向きのローファーってこの種類なの?!」
など、意外と面白く奥深いのもローファーの特徴。
今回の記事では、皆さまご存知ローファーについて、改めて解説しつつ「選び方」や「おすすめブランド」などを紹介していきます。
要所要所でローファーを採り入れた「コーディネート」も紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
CONTENTS
改めて、ローファーとは…?
まず始めに、ローファーの由来や種類を紹介していきます。
脱ぎ履きが楽!だから“怠け者(ローファー)”
ローファーは、靴ひもを結ばない「スリッポン」に分類されている、革靴の一種です。
1962年のロンドンで誕生し、脱ぎ履きが楽な特徴を指して「ローファー(loafer)」、英語でいう「怠け者」と呼ばれるようになりました。
怠け者とは、なんとも不名誉な由来。
しかし、今ほどスーツスタイルのカジュアル化が進んでいなかった時代感を考えると、「靴ひもを結ばず楽をするなんて邪道!」という風潮があっても、仕方ないかもしれませんね。
仕事から休日のお洒落コーデまで、幅広く対応できる
革靴の中では「割とカジュアルなアイテム」という立ち位置にいる、怠け者ことローファー。
確かに、伝統的なスーツスタイルに合わせるアイテムとしては、あと一歩ドレス感が足りません。
しかしそれ故に、「だらしない」もしくは「堅苦し過ぎ」といったコーディネートを、絶妙にドレスアップorカジュアルダウンしてくれるアイテムとして活躍してくれるんです。


最後に忘れてはいけないのが、ローファーはやはりカジュアルなアイテムだということ。
ファッションアイテムとしては非常に便利ではありますが、結婚式や葬祭といった冠婚葬祭といった「正装」が求められる席での着用は絶対にNGです。
加えて、就職活動や重要な会議といったシチュエーションで着用するのも止めておきましょう。
実は結構種類があるローファー
次は、ざっくりと4つに分類できるローファーの各種類を紹介していきます。
汎用性No.1の「コインローファー」(ペニーローファー)
「コインローファー」といえば、ローファーの代表格とも呼べるほどの定番デザインです。
足の甲のハンドルパーツに菱型(上の写真ではカマボコ型)の切れ込みが入っているため、この部分にコイン(硬貨)を挿し込むことが出来ることが名前の由来と言われています。
ラグジュアリーな金属パーツがあるわけでもなく、かといって装飾ゼロというわけでもない万能のバランス型。初めてローファーを購入する人は、まずこのコインローファーを選んでみるといいですよ。

ビジネスライクにキメたいならば「タッセルローファー」がおすすめ
足の甲にタッセル飾りがあるローファーは「タッセルローファー」と呼ばれています。
アメリカの紳士服ブランド『BrooksBrothers(ブルックスブラザーズ)』が扱ったことで爆発的に広まり、アメリカの弁護士やビジネスマンが多く愛用した歴史があります。そんなワケでタッセルローファーなら、ビジネスシーンでも着用OK。
ただし、これはアメリカと日本の話。それ以外の国では推奨はされていないので注意してくださいね。


金属パーツがエレガントな「ビットローファー」
足の甲に金属パーツをとりつけたローファーは「ビットローファー」と呼ばれます。
金属光沢のあるパーツを追加したことで、非常にラグジュアリー感を演出できるのが最大の特徴。
発祥がイタリアの『GUCCI(グッチ)』であると聞くと、なるほど色々と納得できますね。
帽子屋やサングラスを身に着けたときに近い「お洒落楽しんでます!」というサインにもなるビットローファー。
普通のローファーだと「シンプル過ぎてちょっと寂しい…」と感じる人にはオススメの種類といえます。


Theシンプルで潔くワイルドな「コブラヴァンプ」
足の甲に装飾品をつけず、蛇がうねるかのように盛り上がったモカシン縫いがあるタイプを、「コブラヴァンプローファー」と呼びます。
タッセルや金属パーツといった装飾は勿論、革の切り返しもないため、非常にシンプルで、ワイルドないしは「ワル」というカジュアルな見た目が特徴です。
ちなみに、盛り上がったモカシン縫いすらない、もっとシンプルなコブラヴァンプを「ヴァンプローファー」と呼びます。


ローファーの選び方
ローファーの基本知識をインストールしたところで、選び方という実践編に移っていきたいと思います。
ローファー選ぶでポイントになるのは3つ
- 革の材質
- 色
- サイズ感
では1つ1つ解説していきます。
風合いがあって柔らかい「本革」と手入れの手間がいらない「合皮」
ローファーを選ぶときにまず注目したのが革の素材です。
ローファーを仕立てるために選ばれる革は大きく2種類。天然素材の「本革(天然皮革)」と、人工的に生産された「合皮(合成皮革)」です。
本革と合皮は、完全に一長一短の関係にあるため、選ぶ人の好みにお任せとなります。
≪本革≫
メリット:天然素材らしい風合いと、履けば履くほど足馴染みがよくなる柔軟性がある。革靴を育てている感がある。
デメリット:革靴クリームを塗るなどの手入れをいないと、カサカサ&ボロボロになる。
≪合皮≫
メリット:手入れをしなくても駄目にならず、型くずれの心配もない。
デメリット:良くも悪くも変化しないため、長く履き込んでも味がでることもなければ、足に馴染むこともない。寂しさがある。
使いやすい定番黒&茶。ちょっと中級者向きの白(ベージュ)
ビジネスから平日コーデまで様々な需要があるローファーなので、そのカラーバリエーションも、他の革靴と比較すると非常に多いです。
とはいえ、やはり使いやすいのは定番の「黒」や「茶」。

逆に、ちょっとお洒落に挑戦してみたい人には、抜け感や華やかさを演出できる、ベージュやホワイトといった色もオススメです。

口ひもを結ばないので、サイズ選びには注意
ローファーで気を付けたいのは、サイズ選びです。
足のサイズにピッタリな物を探す。
これはどんな靴にもいえること。
しかし少々厄介なのが、ローファーには紐がないため、締めることも緩めることもできないということです。
そのため、他の革靴よりもシビアにサイズを探さないと、緩くてカパカパしたりしてしまうのです。
おすすめローファー&ローファーを扱うシューズブランド8足
学生から社会人まで、ずっと足を支えるメーカーの一足

履きやすさは勿論、その丈夫さで、今度は社会人となった皆さんの足元を支えてくれます。
靴選びの基準に「このブランドのファン」という要素もあると思います。「またハルタのお世話になろうかな」というのも素敵なことだと思いますよ。
種類 | コインローファー |
革素材 | 手入れが簡単な人工皮革 |
日本国内に「ローファー」の名を広めたロングセラー

日本国内に「ローファー」という名称を広めたのはこのモデルと言われているぐらい、日本紳士の歴史的に重要な一足。
履き込むほど足馴染みが良くなる本格革靴の良さを、是非お試しください。
種類 | コインローファー |
革素材 | 天然皮革 |
革靴のドレス感とスニーカーの履き心地を融合!

革靴のドレス感と、スニーカーの履き心地を融合させた、いわゆる革靴スニーカーです。
普段の仕事でもローファーが履ける職業の方は、ぜひ試してみて下さいね。
種類 | コインローファー |
革素材 | 天然皮革 |
格好いいローファーなら、これで決まり

ローファーと聞くと「ぽてっとした丸みのあるフォルム」なイメージがありますが、このモデルはつま先がシュッと細く実に格好いいです。
素材も仕立てもお値段も超一級の一足。ローファーフリークの方にオススメできる一品です。
種類 | タッセルローファー |
革素材 | 天然皮革 |
情熱と節約をバランスよく投入した、良コスパローファーたち
人目につく部分の素材(革など)にはガッツリとコストをかけ、靴内部の硬ければ何でもいいようなパーツには低コストの強化プラスチックを採用する。そんな合理的なコスト管理で生産される、コスパのいいローファーたちです。
靴のクオリティを高めつつ、ちゃんとブランドとして利益を出す姿勢に「安心感」を覚えるファンも少なくないそうですよ。

種類 | ビットローファー |
革素材 | 天然皮革 |

種類 | コブラヴァンプ |
革素材 | 天然皮革 |
履き心地が優しい、ハンドメイド性のローファー
オーナー自ら英国で修業した経験とそこで得たコネクションを全力投入し、ハンドメイド(手縫い)で一足一足仕立てていく方式を採用しています。
商品価格が高くなり過ぎるから採用できないブランドも多いハンドメイドで3万円は、破格の安さ。興味がある方は是非お試しください。

種類 | タッセルローファー |
革素材 | 天然皮革 |

種類 | コインローファー |
革素材 | 天然皮革 |
あとがき
以上、ローファーの選び方とおすすめブランドなど紹介しました。
いかがでしたか?
大人らしいドレス感。でも決して堅苦し過ぎることもないカジュアルさ。そして、脱ぎ履きが楽!
この三拍子が揃った革靴・ローファー。
今回の記事をキッカケに、皆さんの革靴ライフ選択肢が増え、より豊かな革靴ライフを楽しんでいただければ幸いです。
以上、『紳士のシャツ』編集部の玄木がお送りしました。
ではでは。