皆さんは、百貨店などで「インコテックス(incotex)」というファッションブランドを見かけたことはありませんか?
インコテックスは“パンツ専業”で半世紀以上走り続ける、イタリアのファクトリーブランドです。
「スラックスだろうとチノパンだろうと、パンツにこだわりたいならインコテックス」と言われることもあるほど履き心地と、色気&格好良さを引き立てるシルエットが特徴です。
今回の記事では、そんなインコテックスの特徴と定番モデルを紹介します。
シャツやジャケットと同じように、パンツにもこだわりたい紳士の方は是非チェックしてみてくださいね。
CONTENTS
インコテックス(incotex)とは?
では早速、インコテックスについて解説していきます。
1970年から「パンツ一筋」な、イタリアの専業ファクトリーブランド
イタリア語で「パンツ一筋」を意味する言葉、solo pantaloni。
これはインコテックスが掲げる理念です。
1951年に創業したインコテックスは、1970年にパンツ製造に特化するまでは、鉄道員や警察の制服を仕立てるメーカーとしてノウハウを蓄積していました。
パンツ一筋で走り始めた10年後の1980年には、そのクオリティの高さから上質なパンツメーカーの仲間入りを果たし、2008年にファクトリーブランドを設立。今や、イタリアが誇る世界的パンツメーカーの1つにまで上り詰めました。
ドレスパンツ=クラシックという常識にトレンドを採り入れた先駆者
インコテックスは、ドレスパンツにテーパード要素などのトレンド性を採り入れた、最初のメーカーだと言われています。
インコテックスが登場するまで「ドレスパンツ=クラシックスタイル」という、不変であり保守的な考えがパンツ界隈の一般常識だったんですね。
トレンドの波が毎年変わるように、インコテックスのパンツも毎年アップグレード。ただし、「昨年のモデルはもう履けない」という大きな変化を起こさないように気を付けているため、「旬は最新版だけど、古いモデルでも十分カッコイイ」という点はファンとしては嬉しいですよね。
“履き心地がいい、美脚パンツ”を追及
インコテックスのパンツはシルエットの美しさだけでなく、機能性にも優れているのが大きな特徴。
「お洒落は我慢」という言葉は、パンツ一筋半世紀のインコテックスの辞書には存在しないのです。
丁寧に仕立てられた“美脚パンツ”としてのディティール
インコテックスのパンツには、様々なディティールが採り入れられています。どのディティールもインコテックスが独自に発明したものではないのですが、手間と工数を増やしてでも、1つ1つを丁寧に妥協なく採り入れることで、最終的にクオリティの高いパンツとして仕上げています。
折り目がより綺麗に見える「外向きセンタークリース」
スラックスのドレスさを決める要素の一つに、センタークリースがあります。インコテックスのセンターリースは外向きに織られているため、履いた時に綺麗にセンタークリースは足首に向かって落ちるよう仕上げられています。
腰回りのフィット感を高める「パンチェリーナ仕様」
イタリア語で腹巻きの意味がある「パンチェリーナ」。日本語だと「天狗鼻」という呼ばれ方をしていますね。
一般的なホック(もしくはボタン)とパンチェリーナ。複数の点でパンツを留めることによって、腰回りのフィット感を高め、パンツ位置がずれないようになります。
ベルトが常に正面を向くための「ベルトピンループ」
パンツのウエスト前面には、ベルトのピンを通すことでベルトが常に正面を向くようになるループが縫い付けられています。
ちょっとしたことではありますが、ベルトの金属バックルは人目を引くため、正しいポジションをキープするのは非常に重要なのです。
シャツのずり上がりを防止する「マーベルト」
動いている内に腰回りのシャツ生地がズリ上がってしまう。これは紳士万人に共通する悩みの1つでしょう。インコテックスのパンツは内側にマーベルトを採用することで、ずり上がりを防止、パンツが綺麗に見えるだけでなく、シャツの悩みも解決してくれるのです。
腰回りの窮屈さを軽減する「背面のV状スリット」
インコテックスのパンツの多くには、背面にV字のスリットが入れられています。これは、しゃがんだ際にV字が開いてストレスを逃がしてくれる仕組みです。
インコテックスの定番モデル5選
では、ブランドの特徴をおさえたところで、インコテックスの定番&おすすめモデルを紹介します。
インコテックスのパンツを購入するときの参考にしてくださいね。
※掲載している価格などの情報は、2020年8月24日時点でのものとなります。
日本紳士の脚周りを、いちばんイケメン&美しくみせる人気モデル
日本人とイタリア人とでは、どうしたってヒップの幅や厚みに違いが出てくるため、イタリア本国の名品=日本紳士にピッタリ、というワケにもいきません。
そこで開発されたのが、この30。体型の違いをしっかりと理解・研究した上でディティールまでこだわったクオリティの高さを是非、お試しください。
表地の生地組成 | 毛100% |
ポケット内部の生地組成 | 綿37%、レーヨン37%、ポリエステル26% |
膝裏の生地素材 | アセテート56%、レーヨン44% |
英国の伝統毛織物を現代スタイルに落とし込んだ一品
手紡ぎ&手織りという伝統的な製法から生み出される英国伝統のホームスパン生地。
今回採用しているホームスパンは、伝統的な生地感がありつつ、ストレッチ性にも優れるという優れもの。
ホームスパンらしい“あたたかみ”は控えめにして、現代のスタイルにも違和感なく溶け込めるよう仕上げられています。
表地の生地組成 | ウール98% ポリウレタン2% |
ポケット内部の生地組成 | – |
膝裏の生地素材 | アセテート56% レーヨン44% |
需要高まる「機能性」と、伝統的なエレガントを融合させたウールパンツ
家庭でも選択可能な新素材ウールを採用したり、パンツ背面をシャーリング仕様(ウエストにゴムが入っている)を採用したりするなど、とにかく機能的。
昨今、需要が高まる機能性に、パンツ本来のあるべき姿を見失わないよう答えた新時代のウールパンツと言えますね。
表地の生地組成 | ウール100% |
ポケット内部の生地組成 | – |
膝裏の生地素材 | コットン54% ポリエステル46% |
最前線が人気を博して定番化!! 日本紳士にマッチするインコテックス・その②
もともとはトレンドを採り入れたニュータイプだった物が、人気を博していつの間にか定番に落ち着きました。
35型とは相性のいい体型が微妙にことなっているため、35型がどうしても会わない方は是非、お試しくださいませ。
表地の生地組成 | ウール100% |
ポケット内部の生地組成 | コットン37% レーヨン37% ポリエステル26% |
膝裏の生地素材 | アセテート56% レーヨン44% |
インコテックスの代名詞。不朽の名作といえば「30」
インコテックスパンツのスタンダードであるため、特筆するような特徴はないのですが、腰から裾にかけての綺麗なテーパードラインや、履き心地を高めるディティールなど、理想のパンツに必要な要素は全て搭載されています。
表地の生地組成 | ウール100% |
ポケット内部の生地組成 | – |
膝裏の生地素材 | – |
あとがき
以上、パンツ専業ファクトリーブランドであるインコテックスの特徴とおすすめモデルを紹介しました。
参考になりましたでしょうか?
見た目と履き心地の両面で高いクオリティをキープし続けるインコテックス。
パンツにもこだわりたい紳士の方は是非、ご検討くださいませ!
『紳士のシャツ』編集の玄木がお送りしました。
ではでは。